その15
・15
「無許可で国境のいざこざは認められん!
我らの国へ武器を持ち込むのは、この国境警備隊・剣士ゲルググの許可が必要である!」
兵士ハイザックと戦士バーザムの編隊を率いた剣士ゲルググであった。
剣士リ・ガズィ
「ふぅ…思ってたより少し遅いが、狙い通りだ。
アルガス王国とムンゾ帝国は共通の敵に力を合わせ立ち向かうという協定を結んでいる。
演習もなしに、今回が初の実戦になりそうだが」
戦士ガブスレイ
「うまいこと謀られたというわけか…
このまま闘士ケンプファー様を放って置いて、
油を売り続けるわけにもいかないな…
闘士ドーベンウルフ、撤退だ!」
闘士ドーベンウルフ
「いやだす!帰るなら一人で帰ればいいだす!
あの程度の軍隊なら、おら一人で充分だす!」
戦士ガブスレイ
「馬鹿者!まだアルガス地方を平定したわけではない。
目の前の敵より闘士ケンプファー様の御身の方が大事であろう!
…剣士リ・ガズィとやら、名前は覚えておこう。
次に遭うときは…必ず殺す。首を洗って待っていてくれ」
一難去ると剣士リ・ガズィはその場に倒れこんだ。
気力・体力・知力の全てを出し尽くした戦いであった。