その11
昼過ぎ、
荷馬車は足取り軽く街道をゆく。
剣士ジムスナイパーⅡ
「ワラの中はなかなか暑いですね。このままじゃあ蒸します。
ところで騎士団長代理、目的地はどこにしますか?」
剣士リ・ガズィ
「うむ、我らは今はブレックス王というあるじを失った…。
いや、生死不明なわけだが…どのみち、もう補給はないと思ったほうがいい。
再決起をするためまずは現状維持。敵に目立たぬ村でかくまってもらおう。
戦士隊と法術隊とも合流はまだ先になりそうだ…」
木陰から声がした。
「ちょろ〜ん。
お百姓さん、ちぃーっと待つだす。
暑いから木陰で一休みしていたら、
今『敵に目立たぬ』と聞こえただす。
兄貴ー!ちょっと来てほしいだす。怪しい連中がいるだすよ」
闘士ケンプファー
「どうした闘士ドーベンウルフ。
お尋ね者の剣士リ・ガズィでも見つかったのか?」
戦士ガブスレイ
「あの闘士ドーベンウルフに冗談が言えましょうか。
引き止めて少し調べましょう」
剣士リ・ガズィは目の前が真っ暗になった。