その75
・75
鍛冶屋テム
「ははは、力で支配するなんて考えは古い、
というのが魔道士ゲーマルクの方針でしてね。
彼は魔術で奴隷…失礼、人を操るのです。
だから反乱も起きない。
国境だけを守れば完璧なのです」
闘士ケンプファー
「それは俺も知らなかった。
でも、たしかにプライドが妙に高い奴らしいが」
鍛冶屋テム
「人間の作業効率を最大限に活かすノルマに設定して、
魔術で働させてますよ。
おかげで、みんな血色がよくて筋肉隆々。
あ、私ゃ鍛冶仕事が命なんで御免しましたがね」
騎士アレックス
「…話はよ~くわかった。
それで、だ。
どうすればその魔術とやらを回避できる?」
鍛冶屋テム
「…私は早々と御免してきたのでなんともはや…」
騎士アレックス
「今のところ打つ手なしか…」