その63
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出陣前
騎士アレックス
「作戦の説明をしますよ。
魔物軍が船に荷を積む、ここを狙い突入を開始します」
剣士ニュー
「わしは突入は無謀だという認識ぢゃが…」
騎士アレックス
「突入は陽動です。
真の狙いは積荷にあります。
まさか積荷に“細工”をするとは考えますまい。そこがキモです。
船員は、積荷は放棄し船の防衛に回るでしょう。
積荷は当然積み込み前の不審物チェックを受けます。
しかし一旦受けてしまえば、そのまま搬入される…」
剣士ニュー
「上手くいくとは思えんな」
騎士アレックス
「少しでも時間を稼げれば、充分可能です。
奇襲を仕掛ければ動きの遅い積荷を一旦捨て、
その少し後方に防衛線を築きます。必ず」
剣士ニュー
「彼らの考えが何故分かる?」
騎士アレックス
「そうですね…、
積荷を挟んで睨み合えば、それを防壁として機能させられる、
と魔物軍は本能的に考えるでしょう。
戦闘については彼らは本能的な勘を働かせます」
剣士ニュー
「うーむ…」