その40
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アルガス城開放の報を聞きつけた住民が、
少しずつではあるが戻りはじめ、賑わいを見せた。
そんな折だった、
アルガス騎士団の行方を追っていた間者が帰還する。
地図を書きなおさねばならぬほど採掘された山脈をのぞむアルガス城は、
本来の主を迎え、今後の進展について議論を重ねていた。
ちなみに先の戦乱でブレックス王はのたくった。
騎士アレックス
「先ほど帰還した間者によると、
【天をのぞむ塔】がほぼ外観を完成させた模様。
あとは内装を残すのみ。とのこと」
カミーユ王子
「つまり、この地は敵にとって戦略上どうでもよくなったのだな。
呪術士ビグザムの攻勢が意外なほど消極的であったのもそのためか…」
騎士アレックス
「奴らの目的はただ一つ……」