その35
・35
久しぶりにくぐるアルガス城の城門、
守衛の数は斥候の報告より少なくなっていた。
城門をくぐり終えると、
先頭の剣士ジムスナイパーⅡは真っ先に城門開閉装置を壊した。
これで後続が安心して通過できる。
ここでやっと義勇軍の正体に気がついた守衛であるが、
「うおおおぉぉぉぉ!!」
雪崩のように押し寄せる義勇軍の敵ではなかった。
魔物軍の大半は仮眠中であり、剣を取る隙を与えず、
義勇軍はアルガス城を陥落、いや取り戻した。
戦士ガブスレイはかつての仲間の首を鎌で刎ねた。
「騎士ゼノマンサ様の援軍が今から来るから城門を開けておけ、と言った。
それだけでこの戦果。闘士ケンプファー様の知略もさることながら、
それを受けとめる騎士アレックスの器の大きさ…あなどれないな」