騎士団長代理

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  その29  

・29



翌日も双方は剣をまじえた。
前日とは打って変わって剣士リ・ガズィは攻撃もせず逃げ切れるだけ逃げた。
騎士アレックスの出した作戦である。


徒歩である闘士ケンプファーはさすがにとらえきれなかったが、
逃げ回る剣士リ・ガズィを見た魔物軍団の士気はやはり大いに上がり、
逆に味方は盛り下がった。


闘士ケンプファーがアルガス城に入ると、
苦々しい顔の呪術士ビグザムが待っていた。
「ご苦労。士気を挙げるのもよいだろう。
 だが、あの程度の剣士を討ち取れぬとは貴公の腕も鈍ったものだ。
 それと吉報が入ったよ。
 アルガス義勇軍に援軍が到着したらしいじゃあないか。タイミングがうますぎる…。
 貴公には内通の疑いがある!正式な裁きがあるまで独房に入っておけ!」
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