その24
・24
馬上で剣士ゲルググが口を開く
「騎士アレックス殿、
我々ムンゾ帝国とて貴国との戦争のおかげで戦力は充分にあるわけではない。
この戦は短期決戦でいこうと考えてるが、いかがだろうか?」
「我々の国土だ。
私に考えがある。それに従っていただきたい」
騎士アレックスはつれない返事をした。
驚くほど警備の薄い国境を越えると、
かつてのアルガス城がドス暗くかすみかかって見えてきた。
かつて和平を保っていたこの国も、
今やラクロアに建設される【天をのぞむ塔】の建材を、
送り出す拠点として機能している。