その22
・22
剣士ゲルググは難民キャンプへと急いだ。
彼らに吉報をしらせるため。
「剣士リ・ガズィ、よく聞け!
呪術士ビグザム軍は我が国の脅威となりえると閣議で決定された。
よって国を挙げて、ラクロア国と共闘する!」
剣士リ・ガズィ
「ここにいない国王に代わり、
心よりお礼を申し上げます。
かたじけない、世話に…なります」
剣士ゲルググ
「…時間がかかってすまん。
老人たちは現状を知らんのだ。
説得に時間が必要だった」
動きだした。時はきた。
剣士リ・ガズィは涙をこらえ、返事をするので精一杯だった。