騎士団長代理
その21
・21
「クッ!」
リ・ガズィは踵を返すと逃げ出した。
騎士アレックス
「君はアルガス騎士団の指揮を放棄した。
なぜだ?」
剣士リ・ガズィ
「私が未熟だから…、
これ以上戦ってもまた死人を出すだけです…」
騎士アレックス
「それは違うな。
彼らはすでに死ぬ覚悟が出来ている。
覚悟がないのは君ひとりだ…」
騎士アレックス
「間違った問い掛けを続けても、
正しい答えには辿り着かない…。
これ以上逃げてなんになる」
剣士リ・ガズィ
「しかし、私は一介の剣士です…」
騎士アレックス
「そうだ。それを忘れるな。
剣士は騎士団長の言う事を黙って聞けばそれでよい」