その93
・93
ムーア界への次元の扉へ急ぐアレックスシャドーであった。
アレックスシャドー
「貴様はその次元の扉を開いて何をするつもりだ。
ジークジオンの尻でも舐めるのか?」
魔道士ゲーマルクが振り返る。
「そんな挑発には乗らんぞ。
地上へ降りて、ジークジオンから何の音沙汰も無い。
たぶん奴は死んだのだ」
アレックスシャドー
「やっぱりな。
後釜に就くつもりか」
魔道士ゲーマルク
「後釜だと!?
笑わせるな、元々、私こそ闇の皇帝にふさわしかったのだ!
ジークジオンは滅びの道をたどっていた。
奴はすべてを支配したがっていた。
しかし、私に言わせればやり方が間違っているな。
力で統制された世界など、極度に脆いもの。
精神から支配すればすべからく、みな従う」
アレックスシャドー
「貴様が支配して、どうしようと言うのだ?」