その85
・85
リ・ガズィシャドー
「はは、ここへは俺以外は来られないようだ。
天敵の騎士アレックスも姿を見せ無い」
剣士リ・ガズィ
「“俺以外”、だと…。
みんないる。私独りではない!」
リ・ガズィシャドー
「気づいてないんだな…。
お前は夢を見ているのに」
リ・ガズィシャドー
「ほらっ、
後を見てみろ。
お前が疑ったからみんな消えてる。
アルガス騎士団も、闘士ケンプファーも。
彼らは、君が作り出した幻想。
君が自分の正気を保つため、に」
剣士リ・ガズィ
「そ、そんな…。
確かに姿も見たし、声も聞いた!」
リ・ガズィシャドー
「そう感じるのはここが自分の幻想の世界だからだ。
現実の世界の君はどんどん衰弱していってる。
今度こそは騎士アレックスも助けには来られないはずだ。
このまま衰弱死を待つのか、
それとも俺の手で殺されるか、
さぁ、お前に選ばせてやる」